運行管理者(事業用自動車・貨物)
トラック運送事業者の営業所で、ドライバーの点呼・運行計画・勤務時間の管理を通じて安全を守る仕事。国家資格(資格者証)が必要です。
01概要
- 必要な免許・資格
- 運行管理者資格者証運行管理者試験に合格して交付を受ける国家資格
- 勤務の特徴
- 営業所勤務・運転者の出入りに合わせる点呼は乗務の前後に行う(要確認)
- 入り口
- ドライバー経験者が多い実務経験 1 年以上か基礎講習で受験できる
- その先
- 統括運行管理者・所長営業所の管理職へ
運行管理者は、トラック運送事業者が営業所ごとに選任する、運行の安全を管理する人です。選任できるのは、運行管理者資格者証の交付を受けた人に限られます。運行管理者の数は貨物自動車運送事業輸送安全規則の第 18 条が定めています(e-Gov で確認)。運行管理者の選任義務そのものの根拠条文は、本サイトでは取得できず未確認です。
この職業は job tag に単独の職業として収録されていません。job tag の「トラックドライバー」「ルート配送ドライバー」などは、ドライバーの先のキャリアとして運行管理者(国家資格)を挙げています。そのため本ページは、国土交通省・運行管理者試験センターの資料と、ドライバー側の職業の記載を組み合わせて書いています。
仕事の中心は、ドライバーが安全に運行できる状態をつくり、確認することです。乗務の前後の点呼、運行の計画と指示、乗務記録(運転日報)の確認、勤務時間・乗務時間の管理、事故防止の指導などを担います(役割の整理。条番号は要確認)。運転する人ではなく、運転する人の「時間・健康・記録」を管理する人です。
02業務の流れ
- 出庫前の点呼運転者の健康状態・酒気帯びの有無(アルコール検知器)・睡眠・疲労を確認し、運行の指示と注意事項を伝えます。原則は対面で、やむを得ない場合は電話などで行います。2025 年 8 月の改正で、優良な営業所に限り遠隔点呼が可能になったとされます(いずれも要原本確認)。
- 運行計画・配車荷物と車両・ドライバーを組み合わせ、拘束時間・休息期間・運転時間の基準を守れる運行を組みます。ここで計算を誤ると、法令違反に直結します。
- 運行指示書の作成と指示長距離・宿泊を伴う運行などでは、経路や休憩地点を示した指示を出します(運行指示書の内容と保存期間は要確認)。
- 運行中の連絡対応遅延・事故・車両トラブルの連絡を受け、荷主や営業所と調整します。
- 帰庫後の点呼と乗務記録の確認帰庫した運転者に報告を受けて点呼を行い、運転日報(業務記録)の内容を確認します。点呼記録・業務記録は 1 年間保存します(輸送安全規則 第 7 条・第 8 条)。
- 勤務時間の集計・指導・教育ドライバーごとの拘束時間・休息・運転時間を月単位で集計して基準を超えそうな人を調整し、事故防止の指導や初任運転者への指導監督を行います。
03扱う車両・設備
| 車両・設備 | どんなものか・仕事との関わり |
|---|---|
| 運行管理システム・デジタルタコグラフのデータ | 走行速度・時間・距離の記録を使って、運転状況と勤務時間を把握します(job tag のドライバーの項)。 |
| アルコール検知器 | 営業所ごとに備え、常に有効な状態に保つことが求められます(輸送安全規則 第 7 条)。 |
| 点呼記録簿・運転日報(業務記録) | 記載事項は、運転者・車両、業務の開始・終了の地点と日時、主な経過地点、走行距離、休憩・睡眠の地点と時間など。 |
| 配車表・勤務割 | 拘束時間の基準を守る運行を組むための基本の道具です。 |
04免許・資格
この職業の中心は国家資格です。まず、試験の受験資格が「実務経験」と「基礎講習」のどちらでも満たせる点が、ドライバー出身者の道を開いています。
| 名称 | 位置づけ | この職業との関係・取得の条件 |
|---|---|---|
| 運行管理者(貨物)資格者証 | 必要 | 運行管理者試験に合格し資格者証の交付を受ける。受験資格は、運行管理の実務経験 1 年以上、または国土交通大臣認定の基礎講習の修了。CBT 方式・年 2 回。 |
| 運行管理者の講習(基礎講習・一般講習・特別講習) | 法令で必要になる場合 | 選任後の講習(一般講習など)。受講の義務と周期(受講年度の翌年度末まで)は輸送安全規則 第23条で確認済み。時間数は要確認。 |
| 普通自動車免許 | あると有利 | 運転免許は要件ではありませんが、ドライバー経験を経て目指す人が多く、運転者の実情を理解するうえで経験が生きます。 |
運転したい車両や扱う設備から必要な免許・資格を調べるには、免許・資格チェックを使えます。車両の区分は免許区分の早見表にまとめています。
05勤務形態と法令の枠
運行管理者の勤務は営業所が中心です。点呼は運転者の乗務の前後に行うため、勤務時間帯は運転者の出庫・帰庫の時間帯に左右されます(深夜・早朝の出庫が多い会社では、運行管理者も交代制になるなど。個別の勤務は会社によって異なります)。この点は求人票・面接で、運行管理者の勤務割と点呼体制(複数人での交代か)を必ず確認したい部分です。
運行管理者自身には、ドライバーの拘束時間の告示は適用されませんが、ドライバーの拘束時間・休息・運転時間を守らせる側に立ちます。月の拘束時間が 284 時間を超えないか、休息が 9 時間を下回らないかを毎日の運行計画で確認するのが日常業務です。
| 選任の単位 | 営業所ごと。選任できるのは資格者証の交付を受けた人 |
|---|---|
| 選任の人数 | 営業所で管理する事業用自動車(被けん引車を除く)の数 ÷ 30 の商(端数切り捨て)+ 1 人以上。5〜29 両は 1 人、30〜59 両は 2 人(資料の整理。条文は要確認) |
| 補助者 | 国土交通大臣認定の講習を修了した人を置ける。選任数には数えられない(要確認) |
| 試験 | 運行管理者試験センターが CBT 方式で年 2 回(8 月頃・3 月頃)実施。貨物と旅客を合わせて、1 回の試験で受けられるのは 1 人 1 回限り |
| 出題 | 貨物は 30 問。貨物自動車運送事業法 8・道路運送車両法 4・道路交通法 5・労働基準法 6・実務上の知識及び能力 7 |
| 合格基準 | 総得点が満点の 6 割(18 問)以上で、かつ各分野に基準点(前者 4 分野は各 1 問以上、実務上の知識及び能力は 2 問以上) |
ドライバーの拘束時間の基準そのものは拘束時間の枠に整理しています。
06働く環境
働く場所
運送会社の営業所・配送センターの事務所が中心です。ドライバーの出入りに応じた点呼対応のほか、荷主・届け先との電話・メールの調整があります。
責任の重さ
運行管理者は、事業者が守るべき運行の安全の「窓口」にあたります。選任・解任は運輸支局への届出が必要(事由発生から 1 週間以内とする資料がある。未確認)で、事故や違反があると、営業所の運行管理者に特別講習の受講が求められる場合があります(要確認)。
賃金について
本サイトは運行管理者の年収額を示しません。job tag に単独の職業としての統計がなく、公的な職種別統計から切り出せないためです。賃金は求人票の内訳(基本給・資格手当・時間外手当)と、勤務先の就業規則で確認してください。
制度の動き
物流効率化法の改正で、一定規模以上の荷主・運送事業者・倉庫業者に中長期計画の作成などが義務づけられ、物流統括管理者(CLO)の選任義務が荷主側に生じました(国土交通省)。運行管理者の仕事も、荷主との荷待ち時間の調整など、荷主側とのやり取りが増える流れにあります。
07キャリアの道筋
ほとんどは、ドライバーで経験を積んでから運行管理者へ進みます(job tag の「トラックドライバー」「ルート配送ドライバー」の記載)。
- ドライバー(実務経験)運行の実情を知る。事業用自動車の運行管理に関する実務経験が 1 年あれば受験資格に。
- 運行管理補助者・配車担当基礎講習を受けて補助者になる道も。受験資格は基礎講習の修了でも満たせます。
- 運行管理者試験合格・資格者証の交付後、営業所に選任されます。
- 統括運行管理者・営業所長複数の運行管理者を置く営業所では統括運行管理者を置きます。所長など管理職へ。
09出典と確認日
この職業ページで参照した資料
- 公益財団法人 運行管理者試験センター 運行管理者試験 新規受験 受験概要
- 国土交通省 運行管理者試験・基礎講習について
- 国土交通省 事業用自動車の安全対策(運行管理者・補助者・講習)
- e-Gov 法令検索(国土交通省令) 貨物自動車運送事業輸送安全規則(第7条 点呼・第8条 業務の記録・第10条 適性診断・第18条 運行管理者の数・第23条 運行管理者の講習)
- 厚生労働省 トラック運転者の改善基準告示(自動車運転者の労働時間等の改善のための基準)
- 国土交通省 物流効率化法(改正物資の流通の効率化に関する法律)ポータル
- e-Gov 法令検索(法律) 貨物自動車運送事業法(第3条 一般貨物の許可・第35条 特定貨物の許可・第18条 資格者証の返納)
確認日 2026年10月28日 時点の内容です。法令・試験日程・手数料は改正・変更されることがあるため、受験・就業の前に各実施団体や条文で最新を確認してください。この職業は job tag に単独の項目がないため、法令と団体の一次資料から構成しています。