運ぶ代表職種

トラックドライバー

トラックで荷物を拠点から届け先へ運ぶ仕事。運ぶ車の大きさで必要な免許が決まり、勤務の長さは「拘束時間」の法令の枠で決まります。

確認10.282026

01概要

必要な免許・資格
車の大きさで変わる準中型(2〜4t)・中型・大型。トレーラーはけん引免許も
勤務の特徴
拘束 13 時間が基本の枠休息は継続 11 時間以上が基本(2024 年 4 月改正後)
入り口
学歴は問われない免許を持たずに入社し、入社後に取得を支援する会社もある(job tag)
その先
運行管理者・管理職へ資格者証(国家試験)を取ると配車・管理側に進める

トラックドライバーは、貨物自動車を運転して荷物を運ぶ仕事です。job tag は、仕事の内容が「貨物の種類、トラックの形状、輸送距離などにより違う」と説明しています。小型トラックはコンビニ配送や宅配便などの近距離、大型トラックは都市間の長距離・大量輸送が中心で、タンクローリーやミキサー車、コンテナトレーラーのような特殊な用途もあります。

この職業の特徴は、「どの車に乗るか」が免許で決まり、「どれだけ働けるか」が法令の枠で決まることです。車の大きさ(車両総重量・最大積載量)によって準中型・中型・大型のどの免許が要るかが変わり、1 日・1 か月・1 年の拘束時間と休息期間には厚生労働省の告示で上限と下限が置かれています。求人の条件を読むときは、この 2 つの枠のどこに当たる仕事かを見ると、仕事のきつさをかなり具体的に想像できます。

営業用トラック(緑ナンバー)と自家用トラック(白ナンバー)があり、他社の荷物を有料で運ぶ前者は貨物自動車運送事業として許可を受けた会社が運営します。運行管理者による点呼と、ドライバーごとの運転日報(業務記録)が義務づけられているのも、この事業の特徴です。

02業務の流れ

  1. 点呼を受ける出発前に運行管理者の点呼を受け、健康状態の確認とアルコール検知器によるチェックを受けます。気象・通行止めなどの連絡もここで受けます(job tag)。
  2. 車両の運行前点検乗る車の状態を確認します。タイヤ・灯火・ブレーキなどの日常点検は、事故を防ぐ最初の作業です。
  3. 伝票を受け取り、荷物を積む伝票の内容と荷物の内容・数量が合っているかを確認して積み込み、積み込み後に荷締めをします。荷主の倉庫では、フォークリフトで荷物を積んでもらうことも、自分で積み込む(手荷役)こともあります。
  4. 目的地まで運転する運行の記録はデジタルタコグラフ・ドライブレコーダー・GPS によるのが一般的で、会社は走行速度・時間・距離を把握して労務管理に使います(job tag)。連続運転は 4 時間以内、その間に休憩を取る決まりがあります。
  5. 荷下ろしと受領確認指定された場所で荷下ろしをし、届け先から受領の確認を受けます。荷待ち(到着から荷役開始まで)が長いと拘束時間を圧迫するため、荷主側の改善が国の施策になっています。
  6. 帰社して報告する帰社後に運行の状況や健康状態を報告し、運転日報(業務記録)が整います。点呼の記録と業務の記録(運転日報)は、事業者が 1 年間保存する決まりです(輸送安全規則 第 7 条・第 8 条)。

03扱う車両・設備

車両・設備どんなものか・仕事との関わり
トラック(小型・中型・大型)車両総重量・最大積載量で免許が分かれます。免許区分の早見表を参照。荷台の形はウイング・平ボディ・冷凍冷蔵車・タンクローリー・ミキサー車など。
トレーラー(けん引車+被けん引車)車両総重量 750kg を超える被けん引車をけん引するには、けん引免許が別に必要です。詳しくはトレーラートラックドライバー。
デジタルタコグラフ・ドライブレコーダー走行速度・時間・距離を記録します。ドライバーにとっては日報作成の負担を減らす面もあります(job tag)。
アルコール検知器・血圧計点呼で使います。酒気帯びの確認は事業者の義務です。
テールゲートリフター・パレット・ロールボックスパレット荷役の負担を減らす設備。テールゲートリフターを使って荷を積み卸す業務には、2024 年 2 月から特別教育が義務になりました。

04免許・資格

仕事の入口は運転免許です。運ぶ荷物の種類や、荷役の内容によって、講習や資格が追加されます。

名称位置づけこの職業との関係・取得の条件
準中型自動車免許必要2t〜4t クラスのトラックの入口。18 歳から、普通免許の保有歴なしで取れます。
中型自動車免許必要車両総重量 7.5t 以上 11t 未満の車(4t・増トン車など)。20 歳以上・普通免許等の保有 2 年以上。特例教習で 19 歳・1 年に。
大型自動車免許必要車両総重量 11t 以上の大型。21 歳以上・保有 3 年以上。特例教習で 19 歳・1 年に。
けん引免許法令で必要になる場合トレーラー(被けん引車の車両総重量 750kg 超)を運転する場合に必要。
テールゲートリフター操作の特別教育法令で必要になる場合テールゲートリフターで荷を積み卸す業務に就く場合。学科 4 時間・実技 2 時間。事業者が受けさせます。
フォークリフト運転技能講習あると有利積み卸しが多い仕事では、フォークリフトの資格があると仕事の幅が広がります(job tag)。
危険物取扱者・高圧ガス移動監視者など(危険物の輸送・保管)法令で必要になる場合危険物(タンクローリー)や高圧ガスを運ぶ場合に、運ぶ物に応じて必要。
運行管理者(貨物)資格者証あると有利経験を積んだ後に取ると、配車担当・管理側へ進めます。
運転者の適性診断(初任・適齢・特定)法令で必要になる場合事業者が運転者に受けさせる診断。初めて乗務する前などに受けます。

運転したい車両や扱う設備から必要な免許・資格を調べるには、免許・資格チェックを使えます。車両の区分は免許区分の早見表にまとめています。

job tag が「関連資格」に挙げているもの(11 件)
  • 毒物劇物取扱責任者
  • 運行管理者(貨物)
  • 大型自動車免許
  • 牽引免許
  • フォークリフト運転技能者
  • 中型自動車免許
  • 準中型自動車免許
  • 危険物取扱者(甲種)
  • 危険物取扱者(乙種)
  • 危険物取扱者(丙種)
  • 高圧ガス移動監視者

job tag の掲載をそのまま示したものです。法令上の必要・有利の区別はありません。

05勤務形態と法令の枠

基本の枠。1 日(始業から 24 時間)の拘束時間は 13 時間以内、休息期間は継続 11 時間以上が基本です(例外あり。詳しくは「拘束時間の枠」)。

トラック運転者の勤務は、拘束時間(始業から終業までの、休憩を含む時間)と休息期間、運転時間で枠が決まります。2024 年 4 月 1 日から改善基準告示が改正され、従来より厳しい基準が適用されています(厚生労働省)。

ここで押さえたいのは、拘束時間は労働時間ではなく、休憩時間(待機時間)を含むことです。荷待ちが長い日は、運転していなくても拘束時間が積み上がります。年 3,300 時間・月 284 時間は原則で、労使協定を結んだ場合に限り年 3,400 時間・月 310 時間(年 6 か月まで)に延ばせます。

別に、労働基準法の時間外労働の上限(原則月 45 時間・年 360 時間、臨時的な特別の事情があっても年 960 時間)が、2024 年 4 月から自動車運転業務にも適用されています。拘束時間の上限と時間外の上限は別の規制で、両方を守る必要があります。

トラック運転者の改善基準告示(2024 年 4 月 1 日適用)の主な数値
1 年の拘束時間3,300 時間以内。労使協定があれば 3,400 時間以内
1 か月の拘束時間284 時間以内。労使協定があれば 310 時間以内(年 6 か月まで。284 時間超は連続 3 か月まで)
1 日の拘束時間13 時間以内。延ばす場合でも最大 15 時間で、14 時間超はできるだけ少なくするよう努める。長距離貨物運送(一の運行 450km 以上)の週は、休息期間が住所地以外なら週 2 回まで最大 16 時間
休息期間継続 11 時間以上を与えるよう努め、9 時間を下回らない。宿泊を伴う長距離(週 2 回まで)は継続 8 時間以上、運行後に継続 12 時間以上
運転時間2 日平均で 1 日 9 時間以内、2 週平均で 1 週 44 時間以内
連続運転4 時間以内(SA・PA に停められないときは 4 時間 30 分まで)。運転の中断は原則として休憩を与える

拘束時間と休息の考え方、1 日の勤務が枠に収まるかの簡易チェックは拘束時間の枠で確認できます。

06働く環境

仕事場と一日の過ごし方

運転席が主な仕事場で、荷役の場面では屋外作業も多くなります。job tag の数値データでは「他者とのかかわり」「屋外作業」「電話での会話」「ミスの影響度」「時間的切迫」が当てはまりの強い項目に並びます。一人で乗務することが多い一方、荷主・届け先・運行管理者とのやり取りは欠かせません。

賃金と労働時間の位置づけ

下の統計表は、job tag が掲載する全国値(令和 7 年賃金構造基本統計調査など)です。「大型トラック運転手」等の職業分類の値で、小型・中型を含むトラックドライバー全体の実態とは異なり、個々の求人の提示額でもありません。国土交通省の取組報告は、トラック運送業の年間総労働時間は全産業平均より約 2 割長く、年間賃金は 5〜15% 低いと説明しています(中小型でより深刻とされます。統計の調査年は資料に明記なし)。求人を見るときは、賃金の内訳(基本給と運行手当・歩合・時間外手当)を確認してください。job tag は、基本給以外の歩合給や時間外手当など変動給の占める割合が比較的大きいと記しています。

業界の変化

2024 年 4 月からの時間外労働の上限と拘束時間の見直しに加え、荷待ち時間や手荷役の削減に取り組む荷主が増えています。物流効率化法の改正で、荷主・運送事業者・倉庫業者に荷待ち時間・荷役時間の短縮などの努力義務が課されました(国土交通省)。中継輸送やフェリー・高速道路の利用で長距離の負担を減らす取組みも進んでいます(job tag)。

安全と健康

荷役中の墜落・転落は陸運業の災害の大きな割合を占めるとされています(厚生労働省の労働局資料)。2023 年 10 月からは最大積載量 2t 以上 5t 未満の貨物自動車でも保護帽の着用と昇降設備の設置が対象に拡大されました(従来は 5t 以上)。

統計で見る(全国値)

項目値出典(job tag の掲載)
賃金(年収)507.2 万円令和7年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成
月の労働時間175 時間令和7年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成
平均年齢51.5 歳令和7年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成
就業者数1,445,820 人令和2年国勢調査の結果を加工して作成
求人賃金(月額・全国)29.5 万円ハローワーク求人統計(令和7年度)
有効求人倍率(全国)2.94 倍ハローワーク求人統計(令和7年度)

job tag の数値データから

厚生労働省 job tag(職業情報データベース、数値系 2023年度更新分)は、その職業の就業者への調査で「どの程度当てはまるか」を 1〜5 の尺度で示した値です。回答者数が少ない職業は値が揺れます。

仕事の性質(当てはまりの強い順)

  • 他者とのかかわり
  • 屋外作業
  • 電話での会話
  • ミスの影響度
  • 厳密さ、正確さ
  • 時間的切迫

重要度の高い作業(job tag のタスク)

  1. トラックを運転して目的地まで輸送する。
  2. 乗車前にアルコールチェックを受ける。
  3. 積み込み後に荷締めをする。
  4. 指定された場所に向かい、貨物を荷台に積み込む。
  5. 指定された場所に貨物を降ろし、受領書に受領印を受け取る。

問われる知識

  • 輸送
  • 顧客サービス・対人サービス
  • 教育訓練

07キャリアの道筋

job tag は、運転の経験を積んだ後に運行管理者(国家資格)を取って配車担当になり、さらに所長などの管理職になる道を挙げています。

  • ドライバー(準中型・中型)近距離・ルート配送・地場輸送が中心。入社後に免許取得を支援する会社もあります。
  • 中型・大型ドライバー車が大きくなるほど、幹線輸送・長距離の比率が高くなります。けん引免許でトレーラーへ進む道もあります。
  • 運行管理者・配車担当試験に合格して資格者証を得ると、営業所で運行を管理する側に回れます。→ 運行管理者
  • 所長などの管理職営業所の責任者として、運行・人・安全を統括します。

09出典と確認日

この職業ページで参照した資料

  1. e-Gov 法令検索(内閣府令) 道路交通法施行規則 第2条(自動車の種類:大型・中型・準中型・普通の区分) ・ 適用範囲: 車両総重量・最大積載量・乗車定員の区分を e-Gov の法令 API で確認。受験資格の年齢・経験(道路交通法 第88条)は警察庁の資料による ・ 確認日 2026年10月28日 ・ 確度 A(原本を確認)
  2. 警察庁 準中型免許は、ご存じですか?(免許の区分・受験資格) ・ 適用範囲: 普通・準中型・中型・大型の車両総重量・最大積載量の区分と受験資格年齢 ・ 確認日 2026年10月28日 ・ 確度 A(原本を確認)
  3. 警察庁 第二種免許等の受験資格の見直しについて(受験資格特例教習) ・ 適用範囲: 中型・大型・第二種免許の特例(19 歳以上・普通免許等保有 1 年以上) ・ 確認日 2026年10月28日 ・ 確度 A(原本を確認)
  4. 厚生労働省 トラック運転者の改善基準告示(自動車運転者の労働時間等の改善のための基準) ・ 適用範囲: トラック運転者(令和 6 年 4 月 1 日適用の改正後)。告示本文(別項 mhlw-kaizen-honbun)で確認済み。貨物自動車運送事業以外の事業の運転者にも準用される(第 6 項)。パンフレット PDF は未読 ・ 確認日 2026年10月28日 ・ 確度 A(原本を確認)
  5. 厚生労働省 働き方改革特設サイト 自動車運転者(トラック) ・ 適用範囲: 改善基準告示の改正点と、令和 6 年 4 月からの時間外労働の上限(年 960 時間) ・ 確認日 2026年10月28日 ・ 確度 A(原本を確認)
  6. 労働政策研究・研修機構(JIL)掲載の国土交通省報告 トラック運送業をめぐる状況(国土交通省の取組報告) ・ 適用範囲: トラック事業者数約 6.3 万社、労働時間は全産業平均より約 2 割長く年間賃金は 5〜15% 低いという国交省の説明。統計の調査年は資料に明記なし ・ 確認日 2026年10月28日 ・ 確度 A(原本を確認)
  7. 厚生労働省 富山労働局 トラックでの荷役作業時における安全対策が強化されます(保護帽・昇降設備・テールゲートリフター特別教育) ・ 適用範囲: 陸上貨物運送事業(最大積載量 2t 以上の貨物自動車の荷役)。例外車種の範囲は原本で確認 ・ 確認日 2026年10月28日 ・ 確度 A(原本を確認)
  8. 国土交通省 物流効率化法(改正物資の流通の効率化に関する法律)ポータル ・ 適用範囲: 荷主・運送事業者・倉庫業者の努力義務と特定事業者の義務 ・ 確認日 2026年10月28日 ・ 確度 A(原本を確認)
  9. e-Gov 法令検索(国土交通省令) 貨物自動車運送事業輸送安全規則(第7条 点呼・第8条 業務の記録・第10条 適性診断・第18条 運行管理者の数・第23条 運行管理者の講習) ・ 適用範囲: 貨物自動車運送事業(営業用トラック)。e-Gov の法令 API で条文を確認(第7・8・10・18・22・23条)。適性診断の適齢診断の期間は国土交通省告示で、本サイトでは未確認 ・ 確認日 2026年10月28日 ・ 確度 A(原本を確認)
  10. 都道府県警察(東京都・新潟県・栃木県・和歌山県などの案内) 運転免許試験(けん引・大型特殊の受験資格) ・ 適用範囲: 大型特殊は 18 歳以上、けん引は 18 歳以上で他の免許を保有していること。警察庁の原本は未読 ・ 確認日 2026年10月28日 ・ 確度 B(複数資料で一致)
  11. e-Gov 法令検索(法律) 貨物自動車運送事業法(第3条 一般貨物の許可・第35条 特定貨物の許可・第18条 資格者証の返納) ・ 適用範囲: 第2条第4項・第3条・第16〜18条・第35条・第36条の2 を e-Gov の法令 API で確認。軽貨物の事故報告・講習期間の省令は未確認 ・ 確認日 2026年10月28日 ・ 確度 A(原本を確認)
  12. 厚生労働省(法令等データベース) 自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(平成元年労働省告示第7号) ・ 適用範囲: 第4条(貨物自動車運送事業)の拘束時間・休息期間・運転時間・連続運転・分割休息・2人乗務・隔日勤務・フェリー・休日労働を本文で確認。予期し得ない事象の具体的内容は未確認 ・ 確認日 2026年10月29日 ・ 確度 A(原本を確認)
  13. 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)職業情報データベース 解説系 7.01・数値系 7.00 ・ 適用範囲: 職業ごとの解説・タスク・仕事の性質(全国の就業者調査をもとにした職業分類単位の情報。個別の職場の条件ではない) ・ 確認日 2026年10月28日 ・ 確度 A(原本を確認)
  14. 厚生労働省(統計は総務省・厚生労働省の調査を job tag が加工) 職業情報提供サイト(job tag)各職業ページの「統計データ」欄(全国値) ・ 適用範囲: 令和7年賃金構造基本統計調査・令和2年国勢調査・ハローワーク求人統計(令和7年度)を job tag が職業分類単位で加工した全国値。ページ表示から機械抽出(data/raw/jobtag/web-stats-2026-10-28.json) ・ 確認日 2026年10月28日 ・ 確度 A(原本を確認)

確認日 2026年10月28日 時点の内容です。法令・試験日程・手数料は改正・変更されることがあるため、受験・就業の前に各実施団体や条文で最新を確認してください。