運ぶjob tag の解説を中心に掲載

タンクローリー乗務員

タンクローリーに乗務し、ガソリン等液体・高圧ガスなどを移送する。

確認10.282026

01概要

必要な免許・資格
場合により 大型自動車免許・けん引免許
持ち場
運ぶ運転免許が入口
就業者数(職業分類)
1,445,820 人国勢調査を job tag が加工
有効求人倍率(全国)
6.45 倍ハローワーク求人統計(令和7年度)

タンクローリーに乗務し、ガソリン等液体・高圧ガスなどを移送する。

タンクローリーは、重心を低くするために、荷台の形が楕円形をしており、危険物を移送する車は「危」、毒物・劇物を移送する車は「毒」、高圧ガスを移送する車は「高圧ガス」の標識を車の前後に掲示しなければならない。

なお、ガソリン等の引火性液体危険物の移送を行うタンクローリーのほか、飲料水、牛乳、シロップ等飲料品を運ぶ給水車、小麦粉や肥料、砂糖などの粉粒体を運ぶバルク車等もタンクローリーに含まれる。

以下は、ガソリン等の引火性液体危険物の移送を行うタンクローリー乗務員の業務を中心に述べる。

乗務員は出社して車両の運行前点検・アルコール呼気や健康状態等のチェック、配車内容、配送先、道路状況等の注意点・連絡事項等運行管理者からの点呼・伝達を受けた後、危険物取扱者免状又は高圧ガス移動監視者講習修了証、防護服、保護具や消化器等携行品の確認、イエローカード(事故発生時にドライバーが取るべき応急措置、災害拡大防止措置等を記載した黄色い書面)の設置及び安全運行のため車両の始業前点検を行い、車両に乗り込み運転を始める。

液体・高圧ガスなどの場合、荷積み(発荷主)は、製油所、油槽所等の供給拠点であるが、ここで積み込んだ後、ガソリンスタンド(給油所)、工場、運送会社、航空会社施設等に配送する。1回の荷積みで1~3件配送し、1日で2~4回繰り返す。工場を中心に回るもの、ガソリンスタンドを中心に回るもの等様々な形態がある。運転距離は中・短距離が多い。

積み込みは、製油所等に到着してから勤務先からのオーダーを確認して製油所等の電子機器に油種・数量等を登録後、積み込みレーン(ベイ)にタンクローリーを移動させる。アースを取付ける等火災防止措置を取り、タンクローリーの各ハッチ(通常5個~8個ある。)の上部の蓋を解放し、出荷基地のアームを挿入し、ICカード等でベイの電子機器を操作して、ハッチの蓋を開けて爆発防止のために気体を回収した後、積込みを開始する。最近ではタンクローリーのハイテク化が進んでいて、各ハッチに積み込む油種(ガソリン、灯油等)、数量(ハッチ割)を電子機器に記憶させるシステムとなっており、手順を遵守すれば積み込む油種や数量を誤ることは無い。積込み作業が終了したら、ハッチの蓋のハンドル閉鎖やアームの所定位置への収納等を確認してガソリンスタンド等配送先へ出発する。

ガソリンスタンド等配送先に到着し、入場する前に、営業を妨げない安全な入場ルートを確認しておき、ガソリンスタンド等立ち会い者の誘導に従い所定の位置に停車し車止めを置く。

次に、納品書(荷卸し確認チェックリスト)で、納入先や油種と数量をガソリンスタンド等立ち会い者とタンクローリー乗務員相互で確認する。

ガソリンスタンド等における荷卸し時におけるコンタミ(混油)事故やオーバーフロー(漏油)事故等防止について消防法に基づく立会義務があり、ガソリンスタンド等立ち会い者とタンクローリー乗務員の相互協力、相互確認が安全対策の基本となる。

そして、アースの接続、消火器の配置等準備を行った後、ハッチ積荷と地下タンク在庫の油種・数量と荷卸し数量を相互に確認し、荷卸しの油種の順序(原則、灯油、レギュラー、ハイオク、軽油の順番)を決定する。その後、配送先のタンクとタンクローリーのハッチをホースで繋いでコックを開ける。その際、注油口のタンク番号、油種、ホースの結合状態をよく確認することが重要である。荷卸し時に、ガソリンスタンド等側にある油種を識別する油種キーを接続することでガソリンスタンド等側の油種と荷卸ししようとしているハッチの油種が一致しないと各ハッチに付いているバルブが開かないよう混油事故を防止している場合もある。ただし、同一の油種を複数のタンクに分納する場合は注意が必要で、数量の振り分けは各ハッチのバルブ操作をする事により行うので、誤ると油が溢れる。また、安全のため、荷卸しの際は、落ちタバコや静電気に細心の注意を払う必要がある。荷卸し作業終了時に、ハッチ内残油と地下タンク在庫を検量し、荷卸し確認チェックリストにガソリンスタンド等立ち会い者の確認を受ける。最後に、バルブ、コックが全て閉まっているかを確認する。

なお、粉粒体を運ぶバルク車等の場合は、粉粒体を降ろす時は空気の圧力を使ってホースから出す等積み込み及び荷卸しの手続きは危険物の移送とは異なる。

配送終了後は車両を回送して帰社するが、終業に当たっては、車両を清掃、点検し、運行管理者へ配送状況、車両点検結果等の報告を行う。輸送伝票等を返納し、運転日報に必要事項を記載、翌日の配送予定を確認し終了する。

万が一運転中に交通事故、貨物事故が発生したときは、まず消防署、警察署に緊急通報をし、運行管理者に連絡し、指示を受けて適切な措置をとる。

◇ よく使う道具、機材、情報技術等

タンクローリー

— 厚生労働省 job tag「どんな職業か」より引用 [出典]

02仕事の内容(job tag のタスク)

タンクローリーに乗務して、ガソリン等液体・高圧ガスなどを移送する。

  1. 健康状態等のチェックや配車内容、配送先、道路状況等の注意点・連絡事項等運行管理者からの点呼・伝達を受ける。この作業をする人の割合 1%・重要度 3.378(5 段階)
  2. 携行品(危険物取扱者免状又は高圧ガス移動監視者講習修了証、防護服、保護具や消化器等)の確認、イエローカードの設置及び安全運行のため車両の始業前点検を行う。この作業をする人の割合 1%・重要度 3.417(5 段階)
  3. タンクローリーを製油所等の所定の場所に移動させ、アースの取付け等火災防止措置を取り、ハッチの蓋を解放し、出荷基地のアームを挿入し、爆発防止の気体を回収した後、積み込み作業を行う。この作業をする人の割合 1%・重要度 3.974(5 段階)
  4. 製油所等の電子機器に油種・数量等を登録したり、ICカード等で電子機器の操作を行う。この作業をする人の割合 1%・重要度 3.444(5 段階)
  5. 積込み作業終了後、所定の手順を踏み、ハッチの蓋のハンドル閉鎖やアームの所定位置への収納等の確認作業を行う。この作業をする人の割合 1%・重要度 3.872(5 段階)
  6. ガソリンスタンド等配送先までタンクローリーを運転する。この作業をする人の割合 1%・重要度 3.974(5 段階)
  7. タンクローリーをガソリンスタンド等配送先の所定の位置に停車させ、油種、ホースの結合の確認等所定の手順を踏んで、ハッチタンク内から配送先の地下タンクに荷卸しを行う。この作業をする人の割合 1%・重要度 4(5 段階)
  8. 荷卸し終了後は、所定の手順を踏み、ハッチ内残油等の検量、バルブ、コック等が全て閉まっているか等の確認作業を行う。この作業をする人の割合 1%・重要度 3.921(5 段階)
  9. ガソリンスタンド等配送先の立ち会い者と納品物に問題がないか等相互に確認し、所定の書類のやりとり等を行う。この作業をする人の割合 1%・重要度 3.789(5 段階)
  10. 配送終了後は車両を回送して帰社する。この作業をする人の割合 1%・重要度 3.5(5 段階)
  11. 車両を清掃、点検し、運行管理者へ配送状況、車両点検結果等の報告を行う。この作業をする人の割合 1%・重要度 3.243(5 段階)
  12. 輸送伝票等を返納し、運転日報に必要事項を記載、翌日の配送予定を確認する。この作業をする人の割合 1%・重要度 3.316(5 段階)
  13. 運転中に万が一交通事故、貨物事故が発生したときは、まず消防署、警察署に緊急通報をし、運行管理者に連絡し、指示を受けて適切な措置をとる。この作業をする人の割合 1%・重要度 3.975(5 段階)
  14. 需給計画を作成する。この作業をする人の割合 1%・重要度 2.565(5 段階)

03免許・資格

名称位置づけこの職業との関係・取得の条件
大型自動車免許法令で必要になる場合タンクローリーは大型車が多く、大型免許が必要になる場合が多い(job tag)。区分は車検証の値で決まります(施行規則 第2条)。
けん引免許法令で必要になる場合750kg を超える被けん引車(トレーラー)を連結する場合(job tag)。
危険物取扱者・高圧ガス移動監視者など(危険物の輸送・保管) 要確認法令で必要になる場合運ぶ物により、危険物取扱者(乙種第四類・丙種など)・毒物劇物取扱責任者・高圧ガス移動監視者などが必要になる(job tag の記載。各法令の本文は本サイトで未確認)。

運転したい車両や扱う設備から必要な免許・資格を調べるには、免許・資格チェックを使えます。

job tag が「関連資格」に挙げているもの(9 件)
  • 大型自動車運転免許
  • 牽引免許
  • 危険物取扱者(乙種)
  • 危険物取扱者(丙種)
  • 毒物劇物取扱責任者
  • 高圧ガス製造保安責任者(甲種化学)
  • 高圧ガス製造保安責任者(甲種機械)
  • 高圧ガス移動監視者
  • 運行管理者(貨物)

job tag の掲載をそのまま示したものです。法令上の必要・有利の区別はありません。

04なるには

入職に当たって、特に学歴は問われないが、タンクローリー車は大型車が多いため大型自動車運転免許が必要となる場合が多く、その他に車両総重量が750㎏を超える貨物トレーラー荷物車両を連結して移動する場合の運転では牽引免許も必要となる。また、引火性液体、毒物・劇物、高圧ガス等移送の取扱物により、危険物取扱者(乙種第四類、丙種等)、毒物劇物取扱責任者、高圧ガス製造保安責任者又は高圧ガス移動監視者等の資格が必要となる。

新卒で入社する場合もあるが、中途採用も多い。ハローワークや求人広告での求人を通じて採用された後、一定期間を試用または見習い期間として過ごし、訓練を受ける。

初任運転者に対しては国土交通省告示により、実際にトラックに乗っての指導と、積荷の搭載方法や日常点検の方法、トラックの構造の特性などの座学の研修が義務付けられている。職場の各管理者、作業指揮者などから実務知識、就業規則などの講習、接客や作業の技術などを学んだ後、運転業務に従事する。

中途採用の場合でも、各種免許資格の取得を支援する企業も多く、入社後に大型免許、牽引免許や危険物取扱者等の資格を取得する場合もある。

運転業務の経験を積んだ後、内勤職となり、運行管理者(国家資格)の資格を取得してドライバーを管理する配車担当となり、その後、管理者から所長等管理職となる場合もある。

基本的に運転には集中力が必要でこれを持続できること、同時に環境の異変に対しこれを直ちに認識し、迅速・的確な対応をとることが必要である。社会に不可欠なインフラを支える実感を得られる魅力がある一方、危険物を取り扱うので安全面の配慮の徹底と職務遂行の正確性が勤務姿勢に特に求められる。

また、夜間運行の場合もあり、健康管理が大切となる。配送先との接遇の機会もあるので、清潔な服装、真摯な応対などに心がける必要がある。

— 厚生労働省 job tag「就くには」より引用 [出典]

05労働条件と法令

勤務先は石油精製会社等から委託を受けた運送会社が多く、全国に幅広く広がっている。

労働条件は、勤務先の規定に従うが、正社員としての採用が多く、給料は多くの会社が月給制となっており、給料のうち基本給以外の資格手当や運行手当、時間外手当などの変動給の占める割合が比較的大きい。週休2日制を導入している企業も多い。

24時間営業のガソリンスタンド等の場合、輸送コストを考え夜間配送したほうが効率的な場合は、1台のタンクローリーを2人の交代(シフト制)制で勤務しているところもある。出勤時間は毎日同時刻ではなく、一般的に配送先の都合により早朝の場合が多い。退社時間は、配送先の場所、件数、道路事情に左右される。

トラック乗務員全体では多くが男性であり、女性の割合は4.6%である。年齢層では、トラック運送事業を含む自動車運送業界で働く人は50歳以上が全体の51.0%を占めるなど、高齢化が進んでいる。(*1)

ただし、タンクローリー車の場合は他のトラック運転と異なり、荷積み荷卸しの際に手で持ち上げるのはそれ程重くない給油用ホースであるので、肉体的な負担は少なく、荷卸しのための待機時間も比較的少ない。従って運転業務以外の附帯業務に高齢者でも充分に対応可能であり、高齢者のタンクローリー乗務員を活用している事業所も多くある。また、女性の活躍機会も増えている。

なお、液体・高圧ガス運搬の場合、灯油等燃料が多く消費される冬場が繁忙期であり、夏期には余裕ができるのが一般的である。

深刻な乗務員不足の改善を目指して、国土交通省と厚生労働省共同で、トラック運送事業者の労働環境の改善等に取り組んでいる。

(*1)公益社団法人全日本トラック協会【日本のトラック輸送産業現状と課題2025】 「少子・高齢化の進展と若年労働不足」から

— 厚生労働省 job tag「労働条件の特徴」より引用 [出典]

運送会社の運転者として改善基準告示 第4条の枠が適用されます。夜間に 2 人で交代して運行する形もある(job tag)ため、2 人乗務の特例(車内の休息設備で最大拘束 20 時間など)が関係することがあります。→ 拘束時間の枠

06統計と仕事の性質

統計で見る(全国値)

項目値出典(job tag の掲載)
賃金(年収)507.2 万円令和7年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成
月の労働時間175 時間令和7年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成
平均年齢51.5 歳令和7年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成
就業者数1,445,820 人令和2年国勢調査の結果を加工して作成
求人賃金(月額・全国)25.3 万円ハローワーク求人統計(令和7年度)
有効求人倍率(全国)6.45 倍ハローワーク求人統計(令和7年度)

job tag の数値データから

厚生労働省 job tag(職業情報データベース、数値系 2023年度更新分)は、その職業の就業者への調査で「どの程度当てはまるか」を 1〜5 の尺度で示した値です。回答者数が少ない職業は値が揺れます。

仕事の性質(当てはまりの強い順)

  • 屋外作業
  • 他者とのかかわり
  • 一般的な保護・安全装備の着用
  • ミスの影響度
  • 電話での会話
  • 時間的切迫

重要度の高い作業(job tag のタスク)

  1. タンクローリーをガソリンスタンド等配送先の所定の位置に停車させ、油種、ホースの結合の確認等所定の手順を踏んで、ハッチタンク内から配送先の地下タンクに荷卸しを行う。
  2. 運転中に万が一交通事故、貨物事故が発生したときは、まず消防署、警察署に緊急通報をし、運行管理者に連絡し、指示を受けて適切な措置をとる。
  3. タンクローリーを製油所等の所定の場所に移動させ、アースの取付け等火災防止措置を取り、ハッチの蓋を解放し、出荷基地のアームを挿入し、爆発防止の気体を回収した後、積み込み作業を行う。
  4. ガソリンスタンド等配送先までタンクローリーを運転する。
  5. 荷卸し終了後は、所定の手順を踏み、ハッチ内残油等の検量、バルブ、コック等が全て閉まっているか等の確認作業を行う。

問われる知識

  • 輸送
  • 化学
  • 顧客サービス・対人サービス

08出典と確認日

この職業ページで参照した資料

  1. 厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)職業情報データベース 解説系 7.01・数値系 7.00 ・ 適用範囲: 職業ごとの解説・タスク・仕事の性質(全国の就業者調査をもとにした職業分類単位の情報。個別の職場の条件ではない) ・ 確認日 2026年10月28日 ・ 確度 A(原本を確認)
  2. 厚生労働省(統計は総務省・厚生労働省の調査を job tag が加工) 職業情報提供サイト(job tag)各職業ページの「統計データ」欄(全国値) ・ 適用範囲: 令和7年賃金構造基本統計調査・令和2年国勢調査・ハローワーク求人統計(令和7年度)を job tag が職業分類単位で加工した全国値。ページ表示から機械抽出(data/raw/jobtag/web-stats-2026-10-28.json) ・ 確認日 2026年10月28日 ・ 確度 A(原本を確認)
  3. e-Gov 法令検索(内閣府令) 道路交通法施行規則 第2条(自動車の種類:大型・中型・準中型・普通の区分) ・ 適用範囲: 車両総重量・最大積載量・乗車定員の区分を e-Gov の法令 API で確認。受験資格の年齢・経験(道路交通法 第88条)は警察庁の資料による ・ 確認日 2026年10月28日 ・ 確度 A(原本を確認)
  4. 厚生労働省(法令等データベース) 自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(平成元年労働省告示第7号) ・ 適用範囲: 第4条(貨物自動車運送事業)の拘束時間・休息期間・運転時間・連続運転・分割休息・2人乗務・隔日勤務・フェリー・休日労働を本文で確認。予期し得ない事象の具体的内容は未確認 ・ 確認日 2026年10月29日 ・ 確度 A(原本を確認)
  5. 都道府県警察(東京都・新潟県・栃木県・和歌山県などの案内) 運転免許試験(けん引・大型特殊の受験資格) ・ 適用範囲: 大型特殊は 18 歳以上、けん引は 18 歳以上で他の免許を保有していること。警察庁の原本は未読 ・ 確認日 2026年10月28日 ・ 確度 B(複数資料で一致)

「どんな職業か」「就くには」「労働条件の特徴」は job tag の解説(解説系ダウンロードデータ ver.7.01、2020年度更新)からの引用です。法令の記述は確認日 2026年10月28日 時点で、本サイトが条文を確認したものだけを足しています。